【エアコンの交換はどんな工事が必要?】天井・壁を触るケースと当日の流れ

「エアコンを交換したいけれど、家のどこまで工事するの?」と心配になる方もいるでしょう。エアコン交換では、室内機と室外機だけでなく、配管・排水・電源の確認も必要です。ただし、天井や壁を必ず大きく開けるわけではありません。まずは型番と設置状況が分かる写真を用意し、自宅に必要な工事を確認しましょう。

エアコンは、冷蔵庫やテレビと違い、室内機と室外機が冷媒配管・電線・排水用の配管でつながっています。交換時は、本体だけでなく家に取り付けられた設備も確認します。

天井や壁に組み込まれたタイプは、開口部や固定金具も建物に関係します。この記事では、一般的な壁掛形から順を追って必要な工事について説明します。

エアコンの交換には、なぜ工事が必要なの?

エアコンが室内機・室外機・配管・排水・電源でつながる図

エアコンは、室内機・室外機・冷媒配管・排水・電源が一つにつながった設備です。そのため、本体を入れ替えるだけでなく、新しい機種を安全に取り付けて動かすための工事が必要です。

冷媒配管は、室内機と室外機の間で熱を運ぶ冷媒を通す銅管です。ドレン配管・ドレンホースは、冷房や除湿で発生した水を屋外へ流します。さらに、専用コンセントや室内機・室外機をつなぐ電線も確認します。

機種によって配管径・電源・設置寸法・必要な空間は異なります。今のエアコンと同じ条件で取り付けられるとは限りません。

一般社団法人日本冷凍空調工業会では、据付説明書に従った工事や指定部品・適切な配管工具の使用を求めています。据付けに不備があると、水漏れ・感電・火災などにつながるおそれがあるため、交換工事は専門業者へ依頼してください。詳しくは「工事の際の安全上の注意」で確認できます。

エアコンの交換工事では何をするの?

エアコン交換工事の7ステップ

交換工事では、古い機器の取り外し、配管・排水・電源の確認、新しい機器の設置、真空引き、試運転までを行います。必要な作業は、エアコンの種類と住宅の状態によって変わります。

工事の段階 主な作業 確認すること
作業前 搬入経路と作業場所を確認し、床や家具を養生 家具移動と養生の範囲
取り外し 冷媒の大気放出を避けながら古い機器を取り外す 撤去品の処分方法
設備確認 配管、排水、電線、電源、開口部、固定部分を確認 既存設備を使えるか
機器設置 新しい室内機・室外機を固定し、配管や電線を接続 設置位置と仕上がり
真空引き 真空ポンプで冷媒配管内の空気などを取り除く 実施方法は専門業者に任せる
確認・仕上げ 冷媒漏れ、排水、電源、固定状態を確認 天井・壁・配管カバーの状態
試運転 冷暖房、風向、異音、排水、リモコンを確認 操作方法と連絡先

真空引きは、新しく接続した冷媒配管の中から空気などを取り除く作業です。日本冷凍空調工業会では、真空ポンプを使用して配管内の空気を抜き、冷媒を大気へ放出しない方法を「エコロジー工事」として推奨しています。詳しくは「冷媒を放出しない『エコロジー工事』のお願い」をご確認ください。

古いエアコンが動かない場合などは、通常のポンプダウンができないこともあります。その場合を含め、冷媒回収や配管接続、電気工事は読者が自分で行わず、専門業者へ任せてください。

自宅のエアコンはどの種類?

壁掛形・天井埋込形・壁埋込形・床置形・マルチエアコンの見分け方

最初に、室内機が壁・天井・床のどこに付いているかを確認しましょう。次に、屋外の室外機が何台の室内機につながっているかを見ると、交換方法を整理しやすくなります。

種類 見た目の目安 交換前の確認
壁掛形 壁の上部に本体全体が見える 壁面、配管穴、コンセント
天井埋込形 天井には化粧パネルが見える 開口寸法、吊り金具、点検口
壁埋込形 壁の中に本体が納まり、前面グリルが見える 据付枠、開口部、補強
床置形 床に近い壁際へ設置されている 本体寸法、配管穴、固定方法
マルチエアコン 複数の室内機を1台の室外機につなぐ 全室内機・室外機の型番

天井埋込形・壁埋込形・床置形など、住宅の内装や構造に合わせて設置するエアコンは、一般に「ハウジングエアコン」と呼ばれます。ダイキン工業の「マルチエアコン・ハウジングエアコン交換ガイド」でも、天井や壁に埋め込まれたタイプとして紹介されています。

マルチエアコンは室内機の形ではなく、室外機とのつなぎ方を示す名称です。壁掛形と天井埋込形が、同じ室外機につながっている場合もあります。室内機だけを見て判断せず、各機器の型番を控えてください。

エアコン交換で天井や壁を壊すの?

天井・壁の工事を3パターンで比較

エアコン交換で、天井や壁を必ず大きく開けるわけではありません。既存の開口部・配管・固定部分を利用できるか、新しい機種との寸法差を部材で調整できるかによって工事範囲が変わります。

パターン1:既存の開口部と配管を利用できる

天井や壁の開口寸法・新旧機種の設置条件・既設配管の状態が合えば、大きな内装工事をせずに交換できる可能性があります。ただし、化粧パネルの外寸が同じに見えても、室内機本体・配管接続位置・吊り金具の位置が同じとは限りません。

パターン2:リニューアル用の部材で寸法差を調整する

古い機種を外したあとに開口部が見える場合でも、リニューアルパネルやアタッチメント、据付枠などで寸法差を覆えることがあります。化粧パネルは、天井や壁の表面に見える仕上げ部分です。リニューアルパネルは、古い開口部と新しい機器の寸法差を覆うための部材です。

三菱電機では「リニューアルをお考えの方の機種別一覧」で、既存の天井開口寸法に応じたパネルやアタッチメントを案内しています。これらは三菱電機の対象製品に関する情報であり、ほかのメーカー・機種にも同じ部材を使えるわけではありません。

パターン3:天井・壁・配管の工事が必要になる

新しい室内機が既存の開口部に収まらない、固定位置が合わない、配管を再利用できないといった場合は、必要な範囲を開口・補修することがあります。天井内で室内機を固定する吊り金具の移設や、冷媒配管・ドレン配管の延長が必要になる場合もあります。

工事前には「どこを開けるのか」「エアコン工事に内装補修が含まれるか」「別の工事会社が補修するのか」を確認しましょう。工事範囲が曖昧なまま進めないことが大切です。

自宅はどの工事ケースに当てはまる?

自宅の工事ケースを選ぶフローチャート

自宅の工事内容は、エアコンの形だけでは決まりません。設置場所・型番・配管・開口部・室外機との接続をまとめて確認すると、必要な工事を絞り込めます。

自宅の状況 考えられる工事 事前に確認すること
壁掛形を同じ場所で交換 既存穴・配管を利用できる場合がある 型番、壁面、電源、配管穴
天井埋込形を同じ種類へ交換 本体交換、パネル調整、吊り金具移設など 開口寸法、点検口、固定位置
新旧機種の寸法が違う 更新部材の使用、開口・補修 本体・パネル・開口の寸法
配管が壁や天井の中にある 既設配管の点検と適合確認 配管径、状態、過去の故障
既設配管を利用できない 洗浄、交換、新しい経路の検討 開口・補修を含む工事範囲
1台の室外機に複数台が接続 システム全体または一部系統を交換 全機器の型番と接続構成
天井埋込形を壁掛形へ変更 新設工事と天井開口部の仕上げ 壁、排水、電源、配管経路
室内機・室外機の場所も変更 配管・排水・電源経路を再検討 設置場所と安全な作業経路
点検口・作業空間が足りない 点検口や作業方法を現地で検討 天井内と搬入経路の確認

上記の表は、相談前に自宅の状況を整理するための目安です。天井内や壁の中を自分で開けて確認する必要はありません。型番と安全に撮れる範囲の写真を用意し、見えない部分は現地調査で確認してもらいましょう。

室外機の場所を変更する場合は、配管の長さ、高低差、排水、作業の安全性も関係します。詳しくは「室外機の設置場所はどこがいい?」をご覧ください。

古い配管はそのまま使える?

既設配管を再利用できるか確認するポイント

古い配管は条件が合えば再利用できますが、外から見える部分だけでは判断できません。

壁や天井の中に冷媒配管やドレン配管を通す方法を「隠ぺい配管」といいます。再利用できれば、大きく開口せずに交換できる可能性があります。次の条件を確認します。

  • ✅ 配管径と配管の厚さが新しい機種の条件に合うか?
  • ✅ 傷・つぶれ・腐食・接続部分の不具合がないか?
  • ✅ 配管内部に極端な汚れや異物が残っていないか?
  • ✅ 以前のエアコンで圧縮機の重大な故障がなかったか?
  • ✅ 冷媒の種類と新しい機種の据付条件が合うか?
  • ✅ ドレン配管から水を適切に排出できるか?
  • ✅ 新しい室内機・室外機まで接続できる経路か?

三菱電機では、既設配管の再利用について、圧縮機故障による鉄粉・油の極端な汚れ・配管の肉厚など、洗浄や交換が必要になる条件を示しています。これは同社製品の条件なので、実際には交換予定機種の据付説明書と現場の状態を照合してください。

配管を再利用できないと分かった場合は、洗浄・配管交換・別経路への新設などを検討します。追加工事の説明や見積もりについては「エアコンの取り付け工事で多い3つのトラブル」で詳しく解説しています。

マルチエアコンは壊れた1台だけ交換できる?

マルチエアコンの接続構成と交換判断

一部だけ交換できる場合もありますが、機種とシステムの組み合わせ確認が必要です。古い室内機と新しい室外機を自由に組み合わせられるわけではありません。

マルチエアコンでは、1台の室外機と複数の室内機が一つのシステムとして動きます。そのため、壊れた室内機だけでなく、接続されている室内機と室外機の型番・冷媒・能力の組み合わせ・配管・電源をまとめて確認します。

ダイキン工業の「マルチエアコン 入れかえお悩みQ&A 工事編」では、通常は室内機・室外機すべての交換を勧める一方、接続の組み替えによって一方の系統だけ交換できる場合もあると説明しています。

まず、すべての室内機と室外機の型番ラベルを撮影します。全体交換・一部交換・1対1への変更を配管図や接続状況と合わせて相談してください。

天井埋込形から壁掛形へ変更できる?

天井埋込形から壁掛形へ変更できる場合はあります。ただし、壁掛形を取り付ける壁だけでなく、配管・排水・電源・室外機との接続と、使わなくなる天井開口部の仕上げまで確認が必要です。

  • 室内機を固定できる壁と、周囲の空間があるか
  • 冷媒配管とドレン配管を通す経路を確保できるか
  • ドレン水を無理なく排出できるか
  • 新しい機種に合う専用コンセント・電源があるか
  • 既存の室外機やマルチエアコンとの接続をどうするか
  • 天井の開口部をパネルで覆うか、内装補修するか
  • 部屋の広さや使い方に合う能力を選べるか
  • 将来の清掃・点検・交換がしやすいか

壁掛形へ変更すれば、いつも費用が下がるとは限りません。新しい配管穴、電源、室外機、天井補修などが必要になる場合があるため、同じ種類へ交換する案と変更する案を、工事範囲まで含めて比較してください。

交換工事には何時間・何日かかる?

交換工事の時間・日数は、機種・台数・配管・内装工事・作業場所によって変わるため、一律には決められません。見積もり時に、自宅の条件に基づく工程と使用できない期間を確認してください。

同じ場所に壁掛形を交換する場合と、複数の室内機があるマルチエアコンや天井埋込形を交換する場合では、確認する範囲が違います。既設配管を使えるか、天井・壁の補修があるか、室外機が高所にあるか、点検口から作業できるか、電源工事があるかも時間に関係します。

見積もりを受け取ったら、次の5点を確認しましょう。

  1. 工事開始と終了の予定時刻
  2. エアコンを使用できない期間
  3. 工事が複数日に分かれる可能性
  4. 内装補修を同じ日と別日のどちらで行うか
  5. 立ち会いが必要な時間帯

工事事例の日数を自宅に当てはめず、現地調査後の予定を確認してください。

工事当日までに何を準備すればよい?

エアコン交換工事・当日の準備チェックリスト

工事当日は、室内機・室外機の周辺だけでなく、機器を運ぶ通路も使います。家具の移動や養生を誰が行うかは工事会社によって違うため、事前に確認しましょう。

  • ☐ 室内機の下や周辺の家具・荷物を確認した
  • ☐ 作業員と機器が通る経路を確保した
  • ☐ 室外機までの通路を確認した
  • ☐ 貴重品や壊れやすい物を移動した
  • ☐ カーテンや装飾品を外す必要があるか確認した
  • ☐ 大型家具を誰が移動するか確認した
  • ☐ 駐車場所と搬入経路を確認した
  • ☐ ペットや小さな子どもが作業場所へ入らない方法を決めた
  • ☐ 工事中に使用できない部屋を確認した
  • ☐ 養生と作業後の清掃範囲を確認した
  • ☐ 取り外したエアコンの処分方法を確認した
  • ☐ 当日に連絡できる電話番号を確認した

自分で大型家具を無理に動かしたり、高い場所の物を外したりするのは避けてください。移動が難しい物がある場合は、見積もり時に写真を見せて相談します。

見積もり前にどの写真を撮ればよい?

エアコン交換前の写真10点チェック

エアコンだけを大きく写すのではなく、周囲の壁・天井・家具・通路まで分かる写真を用意してください。機種の確認には、室内機と室外機の型番ラベルが役立ちます。

  1. 室内機を含む部屋全体
  2. 室内機の正面と左右
  3. 室内機・室外機の型番ラベル
  4. 室内機と天井・壁が接する部分
  5. 室内から安全に撮影できる点検口
  6. エアコン専用コンセント
  7. 分電盤全体と表示
  8. 室外機と周辺の全景
  9. 室内機から室外機までの配管経路
  10. 玄関から設置場所までの搬入経路

天井裏や高所へ入ったり、パネルや機器を自分で外したりする必要はありません。写真で分からない配管状態・開口寸法・固定部分などは現地調査で確認します。

エアコンマーケットでは、室内機・室外機の型番と設置状況の写真を「LINE見積り」から送れます。平面図や写真から概算見積もりを相談でき、写真だけでは判断できない場合は無料の現地見積もりを利用できます。

エアコン交換工事に関するQ&A

エアコンは自分で交換できますか?

自分で交換することは勧められません。冷媒の回収・配管接続・真空引き・漏れの確認・電源工事などには専門的な知識と工具が必要です。高所作業や重量物の取り扱いもあるため、販売施工店や専門業者へ依頼してください。

エアコン本体だけ購入して取り替えられますか?

本体を用意するだけでは使用できません。室内機・室外機の取り付け、冷媒配管・ドレン配管・電線の接続・真空引き・試運転などが必要です。販売方法や工事だけを受け付けるかは会社によって異なるため、購入前に確認しましょう。

天井埋込形の交換では天井を壊しますか?

必ず天井を大きく開けるわけではありません。既存の天井開口・配管・吊り金具を利用できる場合やリニューアルパネルで寸法差を覆える場合があります。合わない場合は、必要な範囲の開口・補修を検討します。

古い配管はそのまま使えますか?

条件が合えば再利用できる場合があります。配管径・厚さ・傷や腐食・内部の汚れ・過去の故障・新しい機種の据付条件を確認します。外観だけでは判断できないため、「使える」「使えない」と自己判断しないでください。

古い機種と新しい機種のサイズが違っても交換できますか?

交換できる場合があります。天井埋込形や壁埋込形では、リニューアルパネル・アタッチメント・据付枠などで寸法差に対応できる製品があります。利用できる部材はメーカー・機種・開口寸法で異なります。

マルチエアコンは1台だけ交換できますか?

一部だけ交換できる場合もありますが、型番と接続構成の確認が必要です。マルチエアコンは複数の室内機と室外機が一つのシステムなので、冷媒・能力・配管・電源の組み合わせによっては全体の交換を検討します。

天井埋込形を壁掛形に変更できますか?

変更できる場合があります。新しい室内機を固定する壁・配管穴・排水・専用コンセント・室外機との接続を確認し、使わなくなる天井開口部の仕上げも決めます。変更したほうが必ず安くなるとは限りません。

工事中は家にいる必要がありますか?

少なくとも作業開始時の確認と完了後の試運転・説明には立ち会いを求められることがあります。工事途中の立ち会い条件は会社や作業内容で異なります。外出の可否と戻る時刻を工事前に確認してください。

家具はどこまで動かせばよいですか?

室内機の下と作業場所、玄関からの搬入経路を空けるのが基本です。ただし、必要な広さや家具移動の担当は工事内容と会社によって違います。大型家具がある場合は、事前に写真を送り、動かす人と範囲を決めましょう。

写真だけで工事内容を判断できますか?

写真と型番から機種候補や概算見積もりを相談できる場合があります。一方、壁・天井内の配管状態・開口寸法・下地・作業空間などは写真だけで判断できません。必要に応じて現地調査を依頼してください。

まとめ

エアコン交換は、本体だけを入れ替える作業ではありません。室内機・室外機に加え、冷媒配管・排水・電源・設置部分を確認し、新しい機種に合う状態へ整える工事です。

天井や壁を必ず大きく開けるわけではありません。既設配管や開口部を利用する・リニューアル用の部材で寸法差を調整する・必要な範囲を開口・補修するなど、自宅の状態に合わせて工事方法を検討します。

横浜市をはじめとする神奈川県や東京都で交換を検討している方は、室内機・室外機の型番と、設置場所・配管経路・搬入経路が分かる写真をご用意ください。エアコンマーケットでは、壁掛形、ハウジングエアコン、マルチエアコンの本体と工事をまとめて相談できます。

写真と平面図からの概算見積もりは「LINE見積り」を利用できます。見積もり・相談・現地調査による見積もりは無料です。写真だけで判断できない配管や建物の条件は、現地で確認したうえで工事方法を決めます。

出典・情報引用元

エアコンマーケットキャラクター タロちゃん

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